住宅購入時頭金は入れないほうがお得!?住宅ローン減税の賢い活用法。

こんにちは。

住宅を購入するときに、頭金は入れたほうが良いかどうか、よく質問されます。

普通に考えたら、住宅ローンという借金に対する利息を軽減するために頭金を少しでも多く入れて、借金を少なくして購入するほうが良いように思えます。しかし、一概にそうとは言えないのかもしれません。

本日はこのテーマについて書かせてさせて頂きます。

その理由として、重要なポイントを3つお伝えさせていただきます。

  • 住宅ローン減税について
  • 繰り上げ返済について
  • 借金と貯金の利率について


住宅ローン減税について

今回のテーマの本丸がこれです。

フル活用すれば最強の税制優遇とも言われている住宅ローン減税の概要についてまずはお伝えいたします。

住宅ローン減税の概要

・毎年の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除

・所得税で控除しきれない分は住民税からも一部控除

・住宅ローンの借入れを行う個人単位で申請

・令和元年10月の消費税率引上げにあわせて控除期間を13年間に拡充

などですが詳細は図をご覧ください。

国土交通省HP『すまい給付金』
国土交通省HP『すまい給付金』

つまり、住宅を購入し、その年末時点での住宅ローンの残高に対しての1%が税金から還付されるということです。これを10年間(10回)やってくれます。

住宅ローン減税の活用方法

さらに、消費税の引き上げに伴い現在(2020年)は11年目~13年目の3年間かけて、住宅購入価格に対しての2%(消費税の引き上げ分)が還付される制度も創設されています。

そして、2020年現在、住宅ローンの金利は変動金利で0.4~0.5%台は当たり前、低いものだと0.3%台もあります。

仮に0.5%で住宅ローンを組んだとしたら、住宅ローンという借金に対して0.5%の年利息をとられるということですが、一方で1%税金を還付してくれるので、トータルしたら0.5%(住宅ローン減税の還付金1%-住宅ローンに対する利息0.5%=0.5%)儲かっていますよね?

住宅ローン減税の例

例を出します。

年末時点で3800万の住宅ローン残高があれば、1%である38万円還付されます。それに対してとられる住宅ローンの利息が0.5%であれば儲かってますよね?

これが10年続くのでかなりパンチがあります。

本当に不思議なのですが、借金している方が儲かるという現象が起きます。

ということは、最初10年間はなるべく借金を多く持っていた方が良いですし、減らさないほうがいいということになります。

ということは

・頭金は入れないほうが良い

・繰り上げ返済はしないほうが良い

・長期間のローン

・元利均等型

などがいいと言えます。

さらに、11年目~13年目までの3年間で、消費税の上がり幅である、住宅価格の2%を還付してくれます。この間にもし、繰り上げ返済などで、この2%分より、借金が小さくなっていたら、還付額は小さいほうに合わせるので、13年間は、なるべく借金を多く持っていた方が良いですし、減らさないほうがいいということになります。

もちろん、住宅ローン減税をフル活用できるだけの税金を払っている人であることや、住宅ローン減税の1%より低い金利で住宅ローンを借りているということが条件にはなりますが、条件に該当する人は、

13年間は、なるべく多くの住宅ローン残高をもっておくほうがお得=頭金は入れないほうが良いということになりますよね?


繰り上げ返済について

例えば、3000万円の家を、当初10年1.5%、残り25年を2.5%の金利で35年間払っていくとします。頭金を300万円いれて残りの2700万円をローンにした総払込料は、約4074万円となります。

それに対して、当初は3000万円フルローンしておいて、10年後に300万円を使って繰り上げ返済をすると、4年間短縮できます。その時の総払込料は約3976万円となり、約100万円お得になります。

つまり、繰り上げ返済で期間短縮を選べばそれだけメリットがでるということです。

もちろん最初から頭金を入れて30年ローンにすればいいのですが、それだと1で説明した住宅ローン減税のメリットをとれないため、当初はフルローンで、なるべく残債額を大きく残せる35年ローンで組んで置き、住宅ローン減税が終わったタイミングで期間短縮型の繰り上げ返済をしていくほうがいいのではないでしょうか?


借金と貯金の利率について

住宅ローンの頭金を入れるということは、もうそのお金は返ってきません。子育て世代の方は多くのお金のリスクと戦っていきます。ある程度手元にお金を残しておくということも必要ではないでしょうか。例えば急遽車が壊れてしまい買い替えが必要になったが、手元資金がないためにローンを組んでしまうとしたら?自動車ローンの金利は、通常、住宅ローンの金利より高くなります。それでは本末転倒ですよね?また、住宅ローン金利以上の運用率が期待できる金融商品によっては、けっこうあります。保険や財形積み立て(会社によっては1%ぐらいの運用利率をつけてくれる場所もあります)、最近では積み立てNISAなどの長期分散積み立て型の投資信託もお勧めです。当たり前のことですが、借金の金利はより低く、積み立ての金利はより高いものを選ぶべきです。

そのすべてをテーブルに並べて、住宅ローンの金利がどのあたりにあるのかを検討するべきです。そして金融商品で運用しておけば、いざというときに通常のものなら引き出すことができます。元本割れするリスクがあるものはあったとしてもたいていの場合引き出すことができます。ただ、頭金に入れたり繰り上げ返済してしまうとあとで引き出すことはできませんので慎重に検討してくださいね。


まとめ

今日はここまで触れませんでしたが、近年は年平均0.9%の物価が上昇しています。例えば普通預金のように、それ以下の金利の場所に置いておくとお金は減っていると言えますが、逆に、それ以下の金利の住宅ローンを借りていたら、借金も実質価値としては減っていると言えるのではないでしょうか?

このようなことをすべて考えていくと、単純に頭金を入れて借金を小さくすることだけ考えるのはもったいないと思いませんか?

もちろん住宅ローンという借金は返済していかなければいけませんし、変動金利には金利上昇のリスクもあります。そのあたりも含めて慎重に検討することをお勧めいたします。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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