アクティブファンドの魅力と投資哲学について

こんにちは。ファイナンシャルプランナーの森次です。

本日は前回の続きです。是非先にこちらからお読みください。

〔コラム〕投資信託のインデックスファンドとアクティブファンドについて | 家の買い方ラボ – 5000件以上の個別相談経験を持つ住宅専門FPによる無料相談窓口 (jinsei-mikata.com)

前回は投資信託の2つの運用手法である『インデックスファンド』と『アクティブファンド』についてお伝えさせて頂きました。

今回は、その中のアクティブファンドを取り上げ、その魅力について解説していこうと思います。

アクティブファンドとは!?


アクティブファンドは、長期的に見てインデックスファンド以上のパフォーマンスを出す為に、その投資信託のファンドマネージャーたちによる独自の投資哲学により、投資銘柄や組み入れ比率を選定していく運用手法です。

わかりやすくいうと東京マラソン参加者全体の平均タイムを取るのがインデックスファンド。そんなことしなくても上位100人ぐらいを選定し、その100人の平均タイムを取る方がインデックスファンド以上のパフォーマンスは出せるよねという考え方がアクティブファンドです。

では、重要なのはその上位100人の抜粋方法です。去年までの成績とか、ここまでの仕上がり具合とか、コンディションとか、会場とか、性格とか、いろんな部分を見て判断します。これこそがアクティブファンドの命ともいうべき『投資哲学』です。

アクティブファンドの投資哲学

この投資哲学がちゃんと定まっていて、ファンドマネージャー全体に浸透していて、その通りの投資がなされていて、それでいてちゃんとパフォーマンスが長期間(少なくとも10年以上ぐらい)はでているかどうかを我々はチェックし推奨ファンドに選定します。一人の天才ファンドマネージャーがやってしまうと再現性がないので、しっかりと時代が変わっても投資哲学を継承していけているかが重要です。いわばアクティブファンドの投資哲学とは、明治時代から続くウナギ屋さんの秘伝のたれみたいなもので、店主が変わっても同じ味を引き継げるのは秘伝のたれが継承されているからですよね。

本日はせっかくなので、この投資哲学のスタイルを説明しながら、その中の代表的なファンドもお伝えしようと思います。僕の場合は、長期投資という考え方の一択なので、買うときに売るという事を想定していません。一度買ったファンドは老後まで持ち続けて取り崩していくという考え方です。つまり長期投資に向いたファンドという大前提で話を進めさせてください。

グロース株とバリュー株

投資哲学のスタイルを大きく分けると、グロース株投資かバリュー株投資に分かれます。

グロース株投資とは

業績や株価が市場平均より高いと評価される銘柄のことをグロース株と言い、今後大きく成長し続けるだろうと予想される銘柄を選定し投資をするスタイルをグロース株投資と言います。グロース株のことを「成長株」とも呼びます。業界を破壊するぐらい勢いのある小型株や、独自のセールスポイントで注目されている新興企業の株式などに投資するスタイルです。グロース株は今後の成長が見込まれることから人気があり、株価が高くなる傾向があります。また新規参入企業などの急成長企業も多かったりします。

バリュー株投資

グロース株投資に対して、バリュー株投資というスタイルがあります。

バリュー株投資とは、企業の価値に対して市場での評価が低く、株価が割安であるバリュー株(割安株)に投資するスタイルです。グロース株に比べて株価の上昇下落幅が低いことから、比較的低リスクでの運用が可能です。


グロース株投資の例:ベイリーギフォード世界成長株ファンド

こちらの投資信託は典型的なグロース株投資スタイルです。

下記はこちらの投資信託が謳っている投資哲学です。

つまり全世界の中から長期的に成長が期待される企業の株式に投資すると謳っています。

例えばこちらの投資信託では、テスラやアマゾン、Facebookやネットフリックスの株をこんなに前から買っています。つまり長期的に成長を見込んでしっかりと保有し続けてきたという事です。

これらの功績もあり直近のこの投資信託の成績は驚異的です。

インデックスファンドと比べたら約3倍のパフォーマンスです。

バリュー株投資の例:モルガンスタンレーグローバルプレミアム株式オープン

こちらは逆に高いブランド力を持った消費財を生産している企業の株を中心に組み入れています。消費財は流行り廃りがなく長期にわたり安定的な収益が見込めるのと、株価が上下しにくいので価格の下落局面で強さを発揮します。

組み入れ銘柄上位10銘柄を見てください(下記参照)

生活必需品やヘルスケアなどが中心です。

先程のようなアマゾンやFacebookやテスラなど世界をけん引している企業の名前がありませんよね(マイクロソフトぐらいでしょうか)

それでもインデックスファンドと比べて圧倒的なパフォーマンスの差をつけています(この25年で5倍)

特に下記図の2001年ITバブル崩壊時は注目です。インデックスが下がっているのに対してこの投資信託は順調に成長しています。IT関係の企業をほとんど買っていないので当然ですよね。

そして何と言っても売りは下落局面での強さです。インデックスファンドが何度もマイナスになっている局面でこの投資信託はほとんどマイナスになっていません。マイナスになったのは1996年からわずか2回です。しかも1回(2018年)はほとんど±ゼロです。まともなマイナスは100年に一度の金融危機と言われたリーマンショックの2008年のみです。

いかがでしたでしょうか?
それぞれの投資哲学があり、その哲学に基づいた組み入れ銘柄の選定を行い、その哲学の狙い通りのパフォーマンスを出し続けていますよね?

これらの投資哲学については、その投資信託の月次レポートに書かれています。そこにはファンドマネージャーの視点から見たその一か月のニュースや動きについても書かれています。何ページにもわたるこの月次レポートこそが、アクティブファンドの魅力そのものです。逆にすべてをコンピュータが自動で行うインデックスファンドの月次レポートはペラペラです。そりゃそうですよね。全体の平均を取っているだけなので特に書くことがないのです。

本日はアクティブファンドの魅力をお伝えしましたが、インデックスファンドには全体の平均を取る安心感や手数料の安さなどの魅力もあります。

それぞれのスタイルに合った投資信託を見つけてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。




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