こんにちは。ファイナンシャル プランナーの森次です。
今回の記事は投資信託について理解したうえで読んで頂きたい内容になります。
投資信託については過去に解説しているのでコチラの記事を
先にお読みいただくことをお勧めいたします。
インデックスファンドとアクティブファンド
日本には6600もの投資信託がありますが必ずインデックスファンドかアクティブファンドに分類されます。
今は空前のインデックスファンドブームです。
インデックスファンドを否定する気はありませんが、
僕の肌感覚ではインデックスファンドを選ぶ人の半分以上が、
よくわからないからとりあえずみんなと同じとか、
流行っているからとか、
誰かから聞いたからという消極的理由で選択しているように思います。
どちらを選ぶにしても納得感を持って積極的に選択することが大切です。
では、インデックスファンドとアクティブファンドは何が違うのでしょうか。
インデックスファンドとは
ざっくり言うと全体をまんべんなく買って平均を取りに行くような投資方法です。
指数会社が全体の平均値(指数)を作成し、運用会社はその指数に寄り添って運用します。
コンピュータがプログラム通りに売り買いするので手数料が安く、
平均値をとるので「みんな一緒」という安心感や納得感を得られます。
一方で、運用会社は指数会社のデータ通りに運用するだけですし
運用に対しての責任が誰にもなく顔の見えない運用であることや、
すべてを買うという事は今にも倒産しそうな企業や不祥事を起こしている企業まで買ってしまいます。
アクティブファンドとは
全体の中からその投資信託ごとの運用哲学に基づいて抜粋して購入していきます。
購入するまでの間にファンドマネージャーが長いものだと5年ぐらい企業を調査しますので、
例えば今は利益がそこまで上がっていない会社でも、
独自の技術を持っていたり、
研修費など人材投資にお金を回していたり、
将来的には高いリターンを期待できそうな企業の株を組み込むことで
インデックスファンド以上のパフォーマンスを目指します。
顔の見える運用であり、その投資哲学に納得感を持って購入できますが、手数料は割高になります。
インデックスファンドが流行っている理由とは?
現在は空前のインデックスファンドブームです。
過去の実績と手数料の安いものをお勧めすれば納得感を得られやすいことから、
ユーチューバーや芸能人にも説明しやすく、
インフルエンサーがこぞってインデックスファンドを推奨したことや、
素人が沢山参戦することを見越し、つみたてNISAで買える投資信託を
金融庁がインデックスファンド中心にしたことが理由です。
インデックスファンド自体は決して悪いものではないのですが、
ここまで流行ってしまうと色々なところに歪みが出てしまい、
もう限界にきているのではないかと言われています。
インデックスファンドが限界にきている影響について
①ゾンビ企業を割高で買わされる
全ての企業を買うという事は人気のない企業の株も買います。
本来人気がなく価格が下がっていく企業の株も
インデックスファンドが買い支えるため価格が下がらず、
資金が集まるので倒産もしません。
つまりインデックスファンドが流行り過ぎると市場が歪み、
本来の企業の価値よりもかなり割高で買わされることになるので、
今までのようなパフォーマンスは期待できなくなります。
②価格発見機能が失われる
さらに日本では日銀や年金を運用しているGPIFも
インデックスファンドを大量に買っているので、
本来の企業の価値が価格に反映されず、
海外投資家にしてみたらどこに投資をしたらよいのかがわかりにくくなり、
本来は優良な価値ある企業にもお金が集まりにくくなってしまいます。
つまり日本では例えばアップルやグーグルのような
時代を牽引するような企業は生まれにくくなり、
経済成長の妨げになっている可能性があります。
③薄利多売競争が限界にきている
インデックスファンドは指数に寄り添うだけなので投資信託ごとの個性がありません。
すると1番手数料の安いものが売れます。
わざわざ2番目に手数料の安いものを買う人はいないので手数料引き下げ競争が激化します。
インデックスファンドにも運用を維持するためのコストはかかりますが、
行き過ぎた競争の結果、売れれば売れるだけ収益が悪化し、
その投資信託に関わる人たちは疲弊し、限界にきていると言われています。
まとめ
本来、投資は、より良い企業を成長させ、経済が発展し、
その恩恵を投資家は享受し、社会全体が豊かになっていく大切な経済活動です。
ところが上記の3つの理由は、
投資家のリターンが小さくなり、
優良企業が成長しにくくなり、
金融業界も疲弊していきます。
ではどのようにすればこの状態を打破できるのでしょうか。
そこでキーワードになってくるのがアクティブファンドの存在です。
来月はそのあたりを解説致します。
最後までお読みいただきありがとうございます。