こんにちは。ファイナンシャル プランナーの森次です。
視察のためベトナムのホーチミンに行ってきました。ここで感じた心の豊かさについて本日は書いてみたいと思います。
人口1億人、平均年齢30歳代、何年もGDPが伸び続けているこの国では、誰もが未来はもっと良くなると信じています。
だから宵越しの金は持ちません。毎月給料日前になるとみんな食べたいものを食べてやりたいことをやって財産をすべて使い切ります。
万が一のことがあったらどうするのかと尋ねたら誰かに借りればいいと言っていました。
逆に周りで困っている人がいたら自分は貸すと思っているから、そういう価値観で生きているから、怖くないのです。
人を信じ、未来を信じているのです。
10年前に日本人夫婦がベトナムで始めた「Pizza 4P’s」というピザ屋さんがあります。
SDGs的な地球にやさしい経営と直接農家と提携している安心安全を売りにしたことが受けて、今では60店舗になるまで大成功しています。
ホーチミンの若者の多くはこのレストランのファンで、決して安くない2人で客単価1万円のこのレストランで、平均月収7万円のホーチミンの若者が、毎月1~2回食事するそうです。
お金は使った時、動かした時に価値を生み出します。
ホーチミンの若者は自分のお金が、使った後どういう風に世界の役に立っているのかを知っています。
だから決して高くないこのレストランにお金を出すのです。
そして、お金を使ったことで財産が減ることよりも、レストランに行くという体験から得る価値のほうに重きを置いています。
そんなふうにお金を使うから、経済が回り、毎年経済成長しているのです。
現在日本には1000兆円を超える預貯金があります。
自らの財産が減ることが怖くて、お金を使えず貯めこんでいます。
果たしてどちらが豊かなのでしょうか?
経済的には日本人の方が間違いなく豊かです。
ただホーチミンの若者の方が、心は豊かなのではないかと考えさせられました。
未来が不安で、お金を自分のものとして、手元においているこのお金は、果たして本当に自分のものなのでしょうか。
そのお金を稼ぐために、きれいな道を通勤し、電気の付いたオフィスで、仕事をしています。
多くのものを我々は与えられて生きています。
その恩恵として稼がせて頂いたお金を、ただ何の価値も生まない手元に置いておくなら、少なくとも少しの間使う予定がないのなら、誰か今必要としている人に預けて使ってもらい、価値を生み出してもらう。
これが投資の本質です。
ホーチミンの若者のお金の使い方は、世界に自分の資産を役立て成長させる。
まさに投資の本質のように思えてなりません。
そして投資の本質がわかっているから心が豊かなのかもしれません。
太平洋戦争時代、片道のガソリンだけを積んだ若者が戦闘機に乗り敵戦艦に体当たりする神風特攻隊の基地が鹿児島の知覧にありました。
そこにいけば明日死に行く若者の手紙が多数残されています。
その手紙の多くに「感謝」と「後の日本を頼みます」と書かれています。
弱冠20歳ぐらいの若者が、映画を見たり、美味しいものを食べたり、恋愛をしたり、まだまだやりたことだらけだった若者が、無念で無念でしょうがなかったのであろうそのすべてを受け入れ、最後に残したメッセージが、「感謝」と「後の日本を頼みます」なのです。
若者たちは自分の命を、次の世代に信じて託したのです。
必ずこの国の未来は良くなると信じて託したのです。
託された我々はどうでしょう?
現代、あるアンケートで、日本の未来は暗いと答えた人が半数以上いたそうです。
そんな日本を我々は子供たちに残すのでしょうか。
僕は嫌です。
少しでも胸を張ってあの日の若者に「良い国になったよ」って言えるように、これからも与えられた時間を、お金を、この命を使っていきたいと思っています。
「投資信託」とは信じて託す投資と書きます。
新NISAの中のメインの枠の事を、「成長投資枠」と言います。
投資とは、世界に自分を役立てること。
様々な企業が今も世界の課題を解決するために価値を生み出し続けています。
今使う予定のないお金があるのであれば、その金を必要としている場所に信じて託し、成長させること。
自分のお金が成長することで、世界が成長します。
もしくは自らの生きた体験に使うことで、自分自身が価値を生み出せる人になるように成長していく事、それも自己投資という立派な投資です。
もちろん投資の目的はお金を増やすことです。
ただ、このようなことに想いを馳せてみた時に投資の見え方は180度変わるのではないでしょうか。
数字に投資するのではなく、その数字の向こう側にある価値に目を向けてみたら、我々が投資を通じて世界と繋がっていることに気づきます。
ここに心の豊かさのヒントがあるのかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。