こんにちは。ファイナンシャル プランナーの森次です。
相変わらずの超円安が続いています。
この理由や今後の展望については以前の記事でも書いたのでそちらをご確認いただきたいのですが、
こういう時期に投資信託で世界株を買うのは辞めた方が良い?
という質問をよく頂きますので本日はそちらを解説します。
投資信託とは?
投資信託とは個別銘柄の株や債券を沢山買い付けてパッケージ化した商品です。
例えば、1銘柄の株しか保有していなければ、その企業が倒産したら紙切れになってしまいますが、
2つ以上保有していたら、どちらかが潰れてもどちらかが生き残っていたら資産は守られます。
という風に沢山持てば持つほどリスク分散されるので、安定して保有し続けられますよね。
そうやって沢山の株や債券を買い付け、その時々で売り買いしながら、
その時点でその投資信託が思う最も良い株や債券を組み入れてパッケージ化している商品が投資信託です。
この仕組みを使えば素人の人がほったらかしにして安心だという事で、
つみたてNISAやiDeCo変額保険など、税制優遇が効いた運用商品も、
中身は投資信託で運用をする仕組みがほとんどです。
投資信託は山を決める
さて、投資信託の商品を選ぶときに重要なのは、その山を決めることです。
例えば、アメリカの債券とか、日本の株とかという風にどこの山から買い付けるのかが
投資信託ごとに決まっています。
その山の中から投資信託のファンドマネージャーが、より自分たちが良いと思う商品を選定してきて
分散投資してくれる仕組みです。
投資信託を選ぶときは、ご自身の思う山をちゃんと買い付けてくれる商品をまず選定する必要があります。
お勧めは世界株式
そして、長期投資において僕がお勧めしているのが世界株式です。
世界株式とは、
世界全体の企業の株の中から、その投資信託のファンドマネージャーが
最も良いと思う銘柄を選定し分散投資しています。
現在の世界トップの企業がマイクロソフトなのに対して平成元年は、NTTです。
この30年でこれだけ世界は変わりました。
今後30年先にどの国の企業が大きくなるのかなんてわかりませんよね?
なのでどこかに限定するのではなく、
世界全体の中からその時々で最も元気のある企業の株を買い付けるということ。
過去を見比べると、債券に比べて株の方が圧倒的なパフォーマンスの差をつけていること。
長期投資においては短期的な上がり下がりは気にしなくてよいことなどが、
世界株式をお勧めする理由です。
為替のリスク
さてここからがこの記事の本題です。
我々が支払った円を一旦ドルに換えてから、世界中の株を買い付けるのが世界株です。
つまり為替の影響は受けるという事になります。
という事は現在のような円安化においては、今までと同じように世界株を買いつけても、
円安の影響で今までほども買い付けができなくなっています。
これを為替のリスクと言います。
投資信託は円で支払って、解約金も円で受け取るのですが、
その利回りには為替の影響も考慮されているのです。
ではこのような円安化に世界株を買いつけるのは良くないのでしょうか?
そんなことはありません。
下記の図はある投資信託の成績です。
1973年3月に100万円この投資信託を買い付け、その後手数料などを全て差し引き、
為替の影響も考慮して2021年12月末時点で9453万円、年平均利回りは9.8%です。
驚くべきは、1973年約1ドル=270円なのに対して、2021年は約1ドル=110円と、
2倍以上円高になっているにもかかわらず、100万円が9453万円になっているということです。
つまり、これだけ為替の条件が悪くてもこれだけ資産が成長しているので、
長期的に見たら為替の影響よりも圧倒的に株価のほうが強いという事です。
積立投資のすすめ
それでも不安な方には積立投資をお勧めしています。
毎月1万円ずつという風に、決まった額が銀行から引き落とされ買い付けに回る投資方法です。
為替でいうと1ドル=70円で沢山買い付けしたいが、1ドル=140円では
あまり買い付けしたくないと思ってしまいますよね。
積立投資なら自動的にその望みを叶えてくれます。
例えば1ドル=70円の時に1万円出せば、142口買えます。
これが1ドル=140円の時に1万円出せば、71口しか買えません。
結果的にどうでしょうか?
円高というお得な時に沢山の口数を買い付けて、円安という良くない時には
少しの口数しか買っていませんよね?
いちいち日々の為替やレートを気にしなくても都合よく買い付けてくれるのです。
まとめ
例えばお子様に習い事を習わす時に、1年2年で成果を回収しようとは思いませんよね?
長期的に成長していき、大人になってから価値を生み出せられたら良いぐらいの考えの方が
多いのではないでしょうか?
お子様の習い事を『自己投資』と言います。
これも資産運用と同じ『投資』です。
短期な為替の乱高下に一喜一憂せず、長期的に資産を成長していきましょう。