こんにちは。ファイナンシャル プランナーの森次です。
「8月5日日経平均株価が3営業日下落し、前週末と比べ下落幅は4,451円となりました。これは1987年のブラックマンデー翌日につけた3,836円下落を上回り、過去最大の下落幅、下落率で見ても14.9%と過去2番目となりました」
さて、皆様はこのニュースをどう思いますか?
数字データは時に都合の良いように使われがちです。
例えばこの『下落幅過去最大』ですが、1987年の日経平均株価は25,000円台、それに対して現在の日経平均株価は37,000円台です。
仮に1987年の株価が1割下がったら、2,500円下落ですが、現在の株価が1割下がったら3,700円です。
つまり右肩上がりに株価が上がり続けている現代において、同じ率で下落すれば、直近が最も下がり幅が大きくなって当然です。また下落率はたしかに過去2番目の14.9%ですが、今回の下落は3営業日続落しての数字です。
例えばリーマンショックは下落し続け14営業日時点で31.6%下落、東日本大震災4日後には18.1%下落、新型コロナ流行は8営業日後に16%下落ですので、どの地点の瞬間風速を測定するかでいくらでも見せ方を変えることができます。このような数字の見せ方で注目を集めようとする手法はメディアやSNSの情報発信でよく使われます。
その方が多くの人に情報を届けることができるからです。
情報発信する人は当然その情報をより多くの人に届けたいと考えます。
例えば新聞や雑誌、ブログやYouTubeで情報発信する場合、見出しにはなるべく派手で目立ちやすく、より多くの人の注目を集めやすい言葉を選びます。その方が発行部数が伸びたり、閲覧数があがったり、売り上げが上がるからです。なのでより注目を集めやすいネガティブな言葉や言い回しや数字が使われるのです。
過去には、コロナ禍の影響で株価が下がった時に、「年金7兆円失う」というようなネガティブワードがメディアの見出しを賑わしました。逆にその後過去最大の上がり幅だった事実はほとんど取り上げられませんでした。
世の中の環境が変わる局面において、我々の周りにはネガティブな情報の方が多く出回っているという事実を、ぜひ知っておいてください。
というのも、まともな投資信託を長期的に保有しておけば損する方が難しいのに、多くの場合、長期的に保有できず売却してしまうからです。
長期的に保有できない理由とは何があるのでしょうか。
その理由は3つ考えられます。
1.経済的理由
2.身体的理由
3.心の理由
理由① 経済的理由
例えば、余裕資金をちゃんと確保できていない状態や、日々の家計のやりくりを把握せずに投資を始めてしまうと、急な出費や子どもにお金がかかりだした時にやむを得ず投資信託を売却しなければいけません。
だから投資を始める前には必ず、日々の家計と今後の収支がどのようになっているのかという現状把握をしておく必要があります。
弊社では基本的に投資を始める全てのお客様のライフプランを作成させてもらい、現状把握と何のために投資をするのかという目的、そしてその目的を達成するための財源の確保をさせていただくことで、長期保有できない経済的な理由をあらかじめ回避させて頂いております。
理由② 身体的理由
昨今NISAやiDeCoが急激に流行っています。
共に素晴らしい制度であることに異論はありませんが、長期的に続けられてこその素晴らしい制度です。
仮に志半ばで大きな病気になり、収入が下がったり、支出があがることで預貯金が減り続け、その状態がこの先何年続くかわからない場合、病気になる前と同じ精神状態で投資を続けられるでしょうか。
いざそうなってしまったら?という想定を事前にしておけば身体的理由で投資を辞めてしまうリスクを回避できます。そこで登場するのが生命保険会社が出している変額保険です。
保険会社を通じて投資信託を買い付けていき資産形成を目指す一方で、万が一大きな病気になった時には支払いがなくなります。
支払いがなくなっても投資信託の買い付けを最後まで続けてくれるので、仮に大きな病気になってしまっても資産形成が完了します。
弊社ではそれらの商品とNISAなどの税制優遇制度とのバランスをどのように取るのが最もお客様のライフデザインに合っているのかを一緒に考えさせていただくことで、長期保有できない身体的理由を回避させて頂くよう努めさせて頂いております。
理由③ 心の理由
最初に書いたように投資を始めてみたら世の中にはネガティブなニュースばかりであることに気づきます。
そして大きな株価の下落や〇〇ショックは必ず来ます。そんな心の理由で投資を辞めてしまわないように、弊社では、ただの数字に投資するのではなく、自分のお金が世界のどのような価値に変わり、未来を創っているのかという納得感、手触り感を大切にした入り口での商品選定や説明を行ったり、半年に一回の運用報告会を行っています。
いざというときに相談できるお守り的な担当者の存在こそが、長期保有できない心の理由を回避する一番の手段だと考えているからです。