初心者のためのiDeCo、積立NISA、変額保険のすすめ

こんにちは。

今回は、前回の続きで、『長期分散積立』投資を使った具体的な仕組みについて解説してみたいと思います。

長期分散積立の良さはわかった。具体的に何を始めたらいいの?どういう注意点があるの?何を選べばいいの?というお話です。少し長いですがお付き合いいただけたら幸いです。

前回の記事をまだ読んでない方は先にそちらをお読みください。



はじめに

前回の記事でお伝えしたように、過去のアメリカの株価は、年平均10%ぐらい上昇で推移しています。アメリカの株は世界の時価総額の半分以上ですから、世界株の価格も年平均8%ぐらいで上昇しています。

つまり、世界株の投資信託に、『長期分散積立』投資すれば、ほったらかしにしていても、長い目で見れば、手数料を引いても年平均6~8%ぐらいのパフォーマンスが出るということです。

一括投資ではだめなの?

ここで、誤解のないようにお伝えしておきますが、長期分散積立ではなく、一括投資で買ったらだめなのかということですが、決してそんなことはありません。

長い目で見て成長していく世界全体の株に一括投資していれば、しっかりと資産は増えているはずです。むしろこちらのほうが増えていくので効率的と言えます。

しかし、現実には、途中で解約してしまい、その恩恵を受けられない人が多いのも事実です。例えば、1000万円で一括投資した資産が、リーマンショック時には400万円ぐらいまで下がりました。この時に耐え切れず、損切して辞めてしまうのです。

やはり、一括投資は、投資のことを熟知しているプロ向けと言えます。

さらに、一括投資は売り買い前提で売られることも多いので、長期的に成長する世界株のようなものではなく、いわゆる今の流行りトレンド物が良く売られています。

その点『長期分散積立』投資は、価格が下がれば量を買えるという果実を受け取ることができるので、一喜一憂せず枕を高くして眠れますよね?

話を戻します。

ほっといても株価は上がり資産は8%ぐらいずつ増えていくはずなのに、残念ながら投資信託次第では購入してもこのリターンは得られないものがあります。本題に入る前に、ちゃんとリターンを得たければ手を出してはいけない投資信託について解説します。


毎月(毎年)分配型、分配金再投資型投資信託

定期的に分配金をもらえるタイプの投資信託のことです。この分配金を再投資にまわすものとその都度口座に振り込んでもらうものとあります。

どちらにしても、分配金というのは、決められた分を一部解約しているだけだと知ってください。

分配金が丸々利益分だと勘違いしている人が多いのですが、決して利益とは関係ありません。利益が出ようが出まいが決められた分だけ解約される仕組みが分配金です。

現に、日本で一番人気の投資信託は、2009年設定時の基準価格が1万円だったのに、2020年9月時点で2500円ぐらいにまで下がっています。たいした利益をあげていないのに多くの分配金を出してきた結果、自身の財産がどんどん目減りしてきたということです。

仮にずっと右肩上がりに増えたとしても、そのたびに一部ずつ解約していたら複利効果を使って資産を大きくできないのでかなり効率の悪い運用になります。

では再投資型を選べば大丈夫なのでしょうか?分配金を使ってちゃんと投資にまわしているので運用効率は落ちないと思っている方、要注意です!

分配金は一部解約です。

つまり、一回解約して新規でその投資信託を買い増すということをやっているのが再投資型です。ということは一度解約しているわけですからそこには税金がかかります。知らない間に税金が引かれ、税引き後の金額のみを再投資にまわしているのです。

本来投資信託は運用途中に税金はかかりません利益が出てもその全額を使って複利効果で資産を大きくしていきます。その途中途中で税金が課せられていたら運用効率は当然下がりますよね?

長期分散積立投資は、株価の上がり下がりを利用し、量を買い込む投資方法です。株価が下がった時の資産はマイナスですが量を買い込みます。そして、株価が上がった時に大爆発を起こすのです。

このマイナスと大爆発を長期的に見て、年平均8%ぐらいのリターンなのです。この大爆発時に利益の20.315%の税金をもっていかれ、本来の利益が利益を生む複利効果が中々生まれず、投資効率が悪くなるのが再投資型の正体です。

こんな機能が日本で最も売れている投資信託に組み込まれているのだから驚きです。それどころか人気のアクティブファンド上位の半分はこの分配型です。

これが日本人の投資率が増えない、投資のイメージが良くない、根源じゃないでしょうか。

また、情報過多の昨今において、金融素人が5000本以上ある投資信託の中から、優良なもの、自分にあった商品を選び出すのはなかなか困難です。

なので、ここからが本題。

ここからは、長期分散積立投資を行えて、あらかじめ抜粋された優良な投資信託を購入でき、かつ、国の税制優遇も受けられる代表的な3つの仕組みをお伝えしていきます。

3つの仕組み。

iDeCo、積立NISA、変額保険 

この3つです。

これらの仕組みを使えば選べる投資信託に分配型はなく、長期で積み立てていくのに効率的な商品が揃っています。

税制優遇

さらにそれぞれ特徴的な税制優遇を受けられます。

ここで整理しますが、よくいう税制優遇とは3種類あります。

入口、運用途中、出口です。

この中で最も注目されるのは出口ですよね?

積立NISAなどでもこの出口の非課税が注目されます。

あと、iDeCoがでてきたことで、入り口も注目されるようになりました。

さらに、iDeCo、変額保険は運用途中でその商品を売って利益確定して他の商品を組み入れても(スイッチング)その仕組みの中で行っていればそこに税金はかかりません。

このあたりの特徴も踏まえて3つの仕組それぞれを解説していきますね。

iDeCo

60歳まで掛け金全額非課税で積立でき(65歳まで延長予定)、70歳まで運用指図者として非課税で運用できます。つまり、65歳までは非課税で、効率的に複利効果を使い資産を増やせます。

さらに、入口で全額所得控除を得るという最強の特典をもらえるので、税金を納めている人なら、迷わずに積立枠いっぱいいっぱいまで積み立てしてもいいんじゃないでしょうか。

積立枠は12000~68000円まで人によって違いますので、お勤め先で確認してみてください。掛け金は5000円から選べますが、変更は年一回のみです。

デメリットとして、60歳までは決して(一部だけ例外がありますが)引き出すことができませんので、しっかりライフプランを作成し計画的に積立していきましょう

あとは、口座管理費用が毎年かかったり、出口の税制がややっこしいです。
口座管理費用は運用管理会社ごとに違いますのでなるべく安い場所で口座開設することをお勧めします。
出口は、一時金で受け取ると退職所得控除、年金で受け取ると年金控除ですが、ここは基本税金がかかると思ってください。その税金をいかに安くするかは、人それぞれ違い、このあたりはプロの腕の見せ所ですので、お近くのプロに相談することをお勧めします。


積立NISA

20年間は非課税なので、効率的に複利効果を使い資産を増やせます。20年以内に解約すれば、出口も完全に非課税です。

さらにほかの2つと違う最大のメリットは年間40万円という積立額の範囲内であれば、自由に毎月の掛け金を変更できます。見切り発車で初めても途中で金額を下げられるなら安心ですよね。

20年という中期的なゴール設定での運用なら最強のツールと言えます。筆者個人的には、学費を貯めるなら巷の学資保険よりは積立NISAの方が良いのでは?と思っています。

デメリットは、20年以内に解約しなかったときに起こります。

その時の価格で通常口座に戻されるのです。

例えば、20年目にコロナショックのようなことがあり、元金40万円の投資信託の価格が30万円に下がったので、解約せずそのまま21年目を迎えたとします。
その時の価格30万円で通常口座がスタートするので、22年目に35万円まで回復したら、30万円→35万円、と5万円利益が出たとみなされ、そこに税金がかかります。元金40万円からは減っているのに税金がかかるのです。

なので、積立NISAの場合は、20年最後まで運用するのではなく、少し前倒し(15年目ぐらいから)で定率ずつ解約していき利益確定させていく出口戦略をもっていただいたほうがより安心した資産運用になります。この辺りも相談できるプロがまわりにいたら相談していただくことをお勧めします。

変額保険

各保険会社によって違いますが、80歳ぐらいまで非課税で運用できるので、今回紹介した3つの中で最も長期のゴール設定に対応できます。

また、出口での税金も一時所得という保険ならではの税制優遇が効きます。

仮に500万円の資産が1000万円に増えたとして、通常の投資信託は、約101万円の税金がかかるのに対して、保険の場合は何年かにわけて引き出せば、税金をほぼかからなくすることも可能です。例えば老後、年金の足しにと長期間かけて少しずつ引き出していくなら税金をかなり少なくできる可能性があるということです。

また、保険会社が機関投資家として投資信託をまとめ買いしてくれるので、投資信託にかかる信託報酬という手数料を、個人で買うより安く買い入れることができます。信託報酬というのは、その時点での投資信託の残高に対して毎年かかってくる手数料です。つまり、長期で資産を大きくすればするほど信託報酬は高くなるわけですから、この信託報酬が安く済む恩恵は長期になればなるほど大きくなるといえます。

デメリットは、短期解約すると解約控除をとられたり、商品によっては死亡保障がつくので、そこにかかる手数料がとられます。それらを考えると短期の運用なら非効率的です。また、途中で金額を変えられない商品がほとんどなので、しっかりと計画して始めることが重要です。

まとめ

通常どおりに投資信託を積み立てていくよりは、本日紹介した3つは税制優遇の効いた魅力的なものばかりです。具体的に投資信託の商品を選択する際も、数ある投資信託の中からあらかじめ抜粋された優良なものを選ぶようになっていますので素人の方にも安心です。

iDeCo、積立NISA、変額保険、それぞれに良さがあり、良い悪いではなく、合うか合わないかです。

ライフプランを立ててゴール設定をして、何歳ぐらいをめがけて運用していきたいのかを決めることで、選ぶべき商品は決まってきます。

モデルケース

最後に、ゴール設定のイメージを持っていただきやすいようにモデルケースをお伝えします。

仮に子育て世代の資産運用を考えてみますね。

お子様の大学費用のような中期的なゴールなら、積立NISAが向いているといえます。

年金を70歳に繰り下げ受給して、退職の65~70歳ぐらいまでの長期積立を目指すなら、iDeCoが向いていますよね。また、住宅ローンを退職時点で繰り上げ返済したいので退職時までの中長期積立にもiDeCoは対応しますよね。

そして、本当に働けなくなった75歳以上や、長生きのリスクに対応した最長期の積立には変額保険です。ご主人が亡くなった後、平均余命が長い奥様が一人で生きていくときの生活費に向けた最長期運用を考えても、そこまで非課税で運用してくれる商品は変額保険しかありません。

いかがだったでしょうか?

少しでも将来の人生設計にお役に立てたのなら光栄です。

国も「貯蓄」から「投資」へと推奨している昨今。

何もしないことが最大のリスクであることをまず知ってください。

一歳でも一日でも早くに行動を起こし、時間を使い、量を買い込み、非課税で効率的に『長期分散積立』投資を行うことをお勧めいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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